五町田酒造
五町田酒造
- 嬉野市塩田町大字五町田甲2081
- TEL ╱ 0954-66-2066
- 営業時間 ╱ 8:00~17:00
- 休み ╱ 日曜、祝日、8/13~8/15、1/1~1/3
- 直売 ╱ なし(試飲不可)
- 酒蔵見学 ╱ 不可
- ホームページ ╱ http://azumaichi.com/
米の旨みを生かすため 米から育てる酒造り
嬉野の温泉街から車で20分ほど行くと、塩田川近くに五町田酒造の大きな蔵が現れる。大正11年(1922年)、隣接する瀬頭酒造から分家して創業したのが五町田酒造だ。東洋一の酒を目指すという願いを込めて命名された「東一」が、地元佐賀はもとより全国で愛されている。
社長の瀬頭一平さん曰く「東一は米の旨みを表現した酒」。その言葉通り、五町田酒造では酒米の旨みを生かした酒を造るため、様々な工夫をこらしている。
今でこそ蔵元が酒米作りから手がけることも増えてきたが、五町田酒造では昭和63年(1988年)から山田錦の自社栽培を続けてきた。当時、佐賀県内では山田錦は入手困難といわれていたのを、蔵人を中心とした栽培者グループで育苗法の工夫や、水や肥料の管理などに試行錯誤を重ねてきたのだ。
こうして栽培した酒米は自社内の精米機で丁寧に精米され、水切れがもっとも良い特製の竹ザルを使い、蔵人の手で洗米される*。メトロノームの刻むリズムにあわせて、蔵人が一列になって洗米する様子は壮観である。
石高も多く機械化も進んでいる五町田酒造だが、おいしい酒を造るために本当に必要なことは蔵人の手でやっているのだ。
*吟醸クラスの酒のみ
そして、米の旨みを引き出すためにこだわっているのが低温長期発酵の吟醸造り。熊本酵母をもとに自家培養した酵母を低温でじっくり発酵させることで、吟醸香をまといつつもしっかりと味わいのある酒を造っている。
そんな五町田酒造の酒蔵では、杜氏と製造部長のツートップのもと、男女問わず20人近い蔵人たちが息つく間もないほどの勢いで動き回っている。1つの工程が終わったら、すぐに次の工程へ。スピーディーだが無駄がない。
特に印象に残るのは、工程ごとの清掃の徹底ぶりだ。櫂入れをしたら即座に別の蔵人が清掃、蒸米を冷ましたら麹室に米を運ぶのと同時に別の蔵人が冷却機を清掃する。その様子は、まさに「酒造りはチームワーク」という瀬頭一平社長の言葉通り。米の旨みを表現する酒造りは、蔵人のチームワークに支えられているのだ。